ロシアから その2
ロシア訪問記その2はサンクトペテルブルク。モスクワから電車で4時間弱と比較的近いのですが、全く違う雰囲気、ヨーロッパの大きな都市のような活気にあふれた街です。
水辺に作られた街はロシアのヴェネチアと呼ばれることもあるようですが、どちらかといえばアムステルダムやストックホルムに似ています。
移動日は到着後フリー。子供のことからの憧れ、エルミタージュ美術館に行ってきました。
宮殿広場
エルミタージュ美術館 裏側。河に面しています。
代々のロシア皇帝の宮殿だった建物、その建築と内装も見どころの一つ。
さてこの白と金が眩しい部屋には、美術館のメインの一つである、イギリス製18世紀の孔雀のからくり時計があります。週に1回の公演とか、この日は実際に動くところを見ることはできませんでしたが、こちらに動画があります。
お目当のイタリア絵画はもちろん、フランドル、オランダ、フランス絵画のコレクションも素晴らしく、今回はレンブラントを堪能しました。一般に美術館の照明は調整が難しく、光が反射して見づらいこともも多いのですが、ここの照明はバランスが良くて、レンブラントのように光と影が表現のメインであるような作品を見ると絵画中の人物が浮かび上がります。
帰宅当日もお昼過ぎまで時間があり、もう一度今度は昼間の光の中、美術館内を歩いてきました。この日は一番上の階で素敵なランプを発見。ガラス本体は11世紀のエジプト、それにイタリア人が16世紀に細工を施したもの。脚はよく見ると亀になっています。
窓からの風景。
さてコンサートはフィルハーモニーで。古くて名のあるヨーロッパのコンサートホールは、楽屋がかなり悲惨なことも多いのですが、ここは例外。
ホールは単純な長方形、サンクトペテルブルクで作られたチェンバロはまあ可愛いこと。
なんとも見事にいろいろな鳥たちが描かれています。
オペラの古い伝統が息づいているのでしょうね、早くも最初のアリアでお客さんが数人、ソリストのValer Sabadusに花束をと彼の足元へ集まってきます。お客さんに夢を配るのが私たちの仕事なのねと、改めて実感する瞬間です。お客さんたちの幸せそうなこと…。
他のことで煩わされ、ええい!と思うことも実際多い毎日ですが、こういう初心は忘れてはならないなあとつくづく思います。日本を飛び出して右往左往、流れ着いたのがこの団体ですが、主席であろうと末席であろうとその意気で音を出す( 意気込みは超一流、その他はいろいろありますけど)、そういう雰囲気は他ではなかなかないものです。おかげで同僚たちとぶつかることも多いですけどね。
日曜日の午後の目抜き通りは、しかしすごい人でした…。
10月革命から100年、エルミタージュ宮殿から始まった革命運動を記念して、エルミタージュ美術館では今その展覧会が開催されています。