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ケルンからこんにちは

阿部千春です。ドイツから徒然草をお届けしています。

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ニューヨーク・MoMA

 ニューヨークに何年かぶりに来ています。昨日は同僚とMoMA(ニューヨーク近代美術館 ) をじっくり観てきました。メトロポリタン美術館には数回行きましたが、MoMAは今までチャンスが無く、前回はミュージアムショップでお土産の写真集を買っただけ。

 午前中は雨が降ったり止んだりのお天気。その中散歩がてらぶらぶらと歩いてMoMAへ。

高層ビルの頭が雲に隠れていました。

セントラルパーク 23.01.2018

NY

 MoMAではちょうどルイーズ・ブルジョワの特別展が開催されていました。1911年にパリ近郊で生まれ、ソルボンヌで数学と幾何学を専攻していた時に母親が亡くなり、それがきっかけで本格的に美術を勉強するようになったそうです。1938年にアメリカ人の夫とともにニューヨークに移住、2010年に亡くなりました。六本木にある大きな蜘蛛のオブジェママンMamanは彼女の作品。世界に9つあるそうです。古い布地を扱うギャラリーを経営していた父親との関係が難しく、その父から彼女を守ってくれたのがお母さん。そのお母さんは織り子さんだったそうです。

Louise Bourgeois Maman
Louise Bourgeois 晩年の作品

 ルイーズ・ブルジョワの説明を学芸員さんの案内で1時間ほど観た後、常設展へ。

エドワード・ホッパーのGas ( 1940 ) :

Edward Hopper Gas (1940 )

アンリ・ルソーの ( 1910 ) :

 よく見ると色々な動物たちが隠れています。

 フィンセント・ファン・ゴッホの星月夜 ( 1889 ) :

ゴッホ 星月夜 ( 1889 )

 モネの睡蓮の大作 :

 モネの睡蓮の大作はパリのオランジェリーに幾つかあって、見る方はぐるっと360度この絵に囲まれるという展示、天井窓の曇りガラスからの太陽光をうまく使っています。MoMAではこの絵の正面にソファーがあってゆっくり見ることができますが、左右からこの絵を見てみると、あら不思議、見え方がガラッと変わります。照明光が絵の具に当たる具合が見る角度で違っていて、その反射の違いで色合いが変わるのでしょうね。コンバスの同僚にほら、面白いでしょと言ったら、本当だ!とスマホで写真を撮ろうと頑張っていましたが、この違いを写真に収めるのは難しい…。

 マチスの読書をする少女。自分の娘を描いたもので、色彩が楽しい。この時期、マチスは自分の色彩をいかに歌わせることができるか、という課題に挑んでいたそうです。この作品を通してその課題にある程度の答えを見つけたとのこと。なるほど。:

Henri Matissse  Interior with a Young Girl ( Girl Reading ) 1905-06

 ケルン在住のゲルハルト・リヒターの作品も。ケルンの大聖堂に新しく入れるステンドグラスの件では大揉めに揉めた結果彼の作品が入っていますが、個人的には正解だったと思います。 現在の画家の中で世界一高いというのでも有名。テクニックは抜群でなんでもできてしまうようですが、彼のこの作風での作品で何がすごいかというと奥行きとエネルギーです。昨年のケルンでの新作特別展では鮮やかな色彩が新鮮でした。MoMAを出てからカフェで彼の作品についての話で盛り上がりました。

Gerhard  Richter

 最上階では服飾をアートという観点で考察した特別展がなされていました。

確かにこの靴は実用と言うよりも…。ちゃんと歩けるのだろうか。

靴…

 気がつくと外には青空が。お天気は良くなるそうです。

MoMAの窓から

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